セブンイレブンのネットプリントの色変化を色別に検証、対策してみた
ネットプリントとはインターネット経由で登録したファイルをコンビニのマルチコピー機でで印刷できるサービスです。
ネットプリント自体の詳しい解説はこちらなどを参考にしてください。
ネットプリントは同じ画像を登録してもコンビニによって色味が違ったという経験はないでしょうか。
特にセブンイレブンで印刷すると肌が真っ白になったという人も多いと思います。
筆者も初めてネットプリントに登録したときセブンイレブンのみ色落ちが激しく、泣く泣くL判印刷は取りやめました(ハガキ印刷は色落ちしにくいので、そちらを選ぶのもアリです)。
同じ被害を減らすべく、調整の仕方を掴めないかと実験しました。
ただし、これはあくまで筆者の近所のセブンイレブン数軒での実験であるため、他のセブンイレブンでも確実に再現できるとは限りません。
また、自分の前に使用した人によっても結果が変わるため目安と考えてください。
結果だけ見たい方は最後まで飛ばしてください。
比較編
実験に使った色見本
各ボックスの配色は
「赤」 「オレンジ」 「黄色」
「ピンク」 「蛍光色+白」 「緑」
「紫」 「青」 「水色」
「薄いピンク」「薄いオレンジ」「無彩色」
となっています。
各ボックスでは、おおよそこの辺の色を抽出しています(白い点のところ)。
また、この記事では上三段を上段、真ん中三段を中段と表記しています。
さっそく印刷し比較してみましょう。
色見本を無加工でプリントしたときの色味は下のようになります。
肉眼だと写真よりもっと鮮やかで濃いです。
分かりやすいように1ボックスずつ並べてみましょう。
1枚目が元画像、2枚目が印刷後です。
「赤」
全体的に明るくなります。
感覚的には「液晶画面で見た時の色合い」になります。
そのため液晶画面で作業している方にはむしろ便利かもしれません。
逆に有機EL画面で作業している方は乗算等で調整が必要になります。
「オレンジ」
かなり精度が高く見えますが、肉眼だとより濃いため注意が必要です。
「赤」とは反対に有機EL画面で見た時のほうの色合いに近いです。
「黄色」
少し赤みがかっています。
今まで液晶に近い、有機ELに近いと表現していましたが、どちらのディスプレイから見ても赤みがかかったような色になります。
「ピンク」
青みがかっているように見えます。
ただし別の日に印刷したもの(右)は
元の色相に近い印刷ができています。
これはコピー機の個体差かもしれません。
「緑」
最も劣化の酷い色が「緑」でした。
何度やっても同じ激変をするのでコピー機の状態や個体差の問題ではないと思います。
有機ELか液晶かで例えると液晶の方が近いです(色相環は有機ELに対してですと黄色方向に振れます)。
これは後の「蛍光色」でも分かりますが、右上の明るい緑を再現するのは難しいです。
更になぜか中段が非常に明るくなります。
他の色も中段が明るくなる傾向にありますが、「緑」はもはや上段と見分けがつきません。
「紫」
青くなります。
「ピンク」と似た傾向です。
右上も「緑」ほどではないですが、くすみます。
「青」
これも全体的にくすみます。寒色が苦手のようです。
ファミマで試した際も明るい寒色は劣化しやすかったため、インクで再現しにくいのでしょう。
ちなみにファミマはボックス毎の色相のズレが少ないです(下がファミマです。セブンは中段右だけやたら青が強く浮いてます)。
そのため色味は変化しても調和のとれたネットプリントになりやすいです。
「水色」
おおよそ「緑」と同じ傾向になります。
中段が明るいので上段との区別が付きにくいです。
液晶に近い色合いですが青みがかっています。
「蛍光色+白」
色相別でどう再現率が変わるのか見たかったので作りました。
暗く見えますが白、赤、オレンジ、ピンクは肉眼だとほぼ元画像と同じになりました。
黄色、紫は赤方向にズレ、青は紺色になり、緑と水色は蛍光っぽさがなくなりました。
「薄いピンク」
写真が暗くなってしまいましたが、左一列が白飛びしています。
右一列は赤みが減ってしまいましたが、濃さに関しては左一列に比べてだいぶマシです。
「薄いオレンジ」
左二列が白飛びしています。
ファミマだとここまで薄くならないので何かセブン独自の補正があるのでしょうか。
「無彩色」
黒が
10% 40% 70%
20% 50% 80%
30% 60% 90%
の順です。
~70%まで薄めになる印象です。
なお周りの枠は黒100%ですが綺麗に印刷されています。
対策編
全単色ボックスに共通する課題は中段が明るくなることです。
レイヤーを複製して乗算10%しました。
元画像
加工前
加工後
中段が濃くなって良い感じです。
しかし、二重の文字が邪魔だったのでもう一度印刷すると
あまり変わらなくなってしまいました(オレンジが特に分かりやすいです)。
この方法はコピー機に左右されやすいので微妙そうです。
次に、50%の乗算をしました。
これは一番上が濃くなりすぎです。
次に試したのは黒を乗算です。
まず、50%
コントラストはハッキリつきますが上段の鮮やかさが損なわれます。
続いて黒30%(緑のみ上段無加工)
中段と上段でコントラストを付けたいなら中段に黒30%乗算でいいかもしれません。
先程、薄い色2種についてあまり言及しなかったのは、別の処理をしたほうが結果が良かったためです。
同色を乗算してもあまり変わらず、黒の乗算だとくすんでしまいました。
そこで赤色を10%→90%乗算することにしました。
乗算した赤色は↓です。
選出理由に根拠はあまりないですが、調整しやすそうなので彩度と明度が最大の色にしました。
下がその結果です。肉眼だともう少し濃いです。
左上から
10% 20% 30%
40% 50% 60%
70% 80% 90%
です。
(比較に↓無加工の元データ)
乗算する側に元の陰影が負けたのか、均一になってしまいました。
そのような理由から、区分ごとに勘で何度か修正した最終結果がこちら。
左上がまだ白飛びしていますが、他はかなり改善したといえるのではないでしょうか。
乗算値は
10% 15% 20%
10% 20% 30%
15% 20% 30%
となっています。
ピンクとオレンジ以外の薄い色も同じ値で乗算するとどうなるのか試しました。
全て薄オレンジボックスの色相のみ変えたものです。
元画像
それぞれのボックスに重ねた色
無加工
加工後
ちょっと濃い(特にピンク)ですが、無加工の左一列の白飛びは抑えられている気がします。
色によって乗算値を減らす必要がありそうです。
以下まとめです。
最初からこれを鵜呑みにするのは危険です。
無加工で1枚テストプリントしたのち、不満な色を記事のように調整、あるいはこの実験を参考に独自に調整するのが良いと思います。
①セブンイレブンは色相によって再現にムラがあり、特に水色と緑の蛍光色は再現しにくいので使わない方が良い。暖色は無加工でも再現度が高め。
②カラーサークルの明度の中央部分は印刷時に明るくなりやすい。黒を30%ほど乗算すると防ぎやすい。
③薄い色は白飛びする。対象の色の彩度・明度100%の色(下画像参照)を10%~30%の透明度で乗算すると防げる。
この記事はあくまで筆者の体験に基づく内容であり100%保証はできませんが、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
この記事に関しては検証にお金がかかるため質問は受け付けておりません。
情報提供者:isav(__isav__)さん